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野家啓一先生がみすず読書アンケート2014年で紹介していた本

図書館でたまたま手にとったバックナンバーの「みすず」に読書アンケートが掲載されていました。2014年のものです。せっかくなので、気になる本をピックアップしようと思います。今回は哲学者の野家啓一先生が紹介しているものを。


・ジョン・フォージ『科学者の責任―哲学的探究』佐藤透・渡邉嘉男訳、産業図書、2013年

本書に関して野家啓一先生は、以下の様なコメントを指定ます。
とりわけ科学者の「後ろ向き責任」と「前向き責任」を意図と選択の関係として哲学的分析を加えた議論は一読に値する。

かなり高い評価を受けていたので、とても興味深いです。特に私は責任というものについて非常に興味があるので、それにまつわる議論はぜひフォローしておきたいところです。

それにしても福島原発事故から一気に科学者の責任についての議論が噴出していますが、それに対して政治家やそれを選んだ市民の責任は皆無なのか気になるところです。原発事故の被害は世界中に及びかねない重大事であって、日本国民は単なる被害者ではなく加害者の立場でもあるように思います。

いや、日本人の私としては「責任がない」「加害者なんかじゃない」と言えた方が嬉しいのですが、外国人は日本人が思っている以上にシビアな目を向けているんですよね。少なくとも私の交流した人たち(友人というほど親しくない人たちです)の中には、日本人の責任を論ずる人もいたわけで。

(受益者が危険源の管理について責任を負うという構成は、とても自然なものです。したがって、最終的に責任を負わせられないとしても、日本人の責任について問題提起することにも一定の合理性はあると思います)

科学者の責任という論点が重要なのはわかりますが、対外的にも政治や有権者レベルでの責任を考慮する必要はあるんじゃないかと思います。

まあ、そのレベルまで責任を訴求することについてちゃんと検討したことがないので、そういう議論構成は無理筋の可能性もありますけどね。

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